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マイナンバーと個人情報保護・管理の実務 後編

「個人情報・マイナンバー」のページに、保護・管理について(ⅱ)を加えました。

「情報保護」という分野に関して、2018年も東京国税局や大阪国税局の委託先企業がマイナンバーを含む個人情報のデータ入力業務を違法に再委託していたことが報道されていました。
その企業では一部従業員が個人情報含む資料134件をスキャンし、不正にデータ化して保存していたということです。加えて、国税局以外の業務を再委託していた1社では海外へデータを送信、入力業務が行われていたことが判明しています。

以前には日本年金機構でも委託先だけでなく、機構本体において担当者の端末に個人情報を保存していたなどの報道がありました。
このような不正、事故があまり大きく報道されないことは不思議に感じます。

個人情報保護法ガイドラインのQ&Aが昨年12月末に更新されました。

【よくある漏洩場面】
「そんな事はわかっている」と思う方が多いでしょうが、頻繁に見ることのある情報漏洩の場面です。

お酒を飲んだとき、取引先との面談直後、急いでいるとき、うっかりしないように気を付けましょう。

●電車・バスの車内●
・会社のバッジや社名入り封筒を持ったグループが、取引先の社名や担当者名をそのままに、業務の内容を話している。
・事務所への報告として「お客様は杉並区荻窪100丁目90番80号の鈴木太郎様です。」と携帯電話で伝えている。

・実際に都営バスの車内で見た光景です。
カウンセラーらしき男性が、バス車内で携帯電話により「親の名前は?佐藤花子?相談内容は?不登校?」と受けた後に、そのままカウンセリングを開始し「お子さんは何年生ですか。何がきっかけ?それは同級生の○○君がお子さんの良子ちゃんを突き飛ばしたの?」と続けていました。

●飲 食 店●
・会社近辺の飲食店で、事業や部署内の状況を実名入り、大声で話し合っている。
・カフェにPCを持ち込み、他人に見える席で事業計画書や報告書を作成している。

当事務所の記事が、企業の皆様が個人情報、事業の機密情報の保護と適正管理を行うためのヒントになれば幸いです。