事実婚? 法律婚? 住民票や相続での比較

最近は婚姻届を提出しない、事実婚のカップルが増えているように感じます。
夫婦同姓別姓の議論も存在します。
今回は、男女間での事実婚(いわゆる内縁)と法律婚について書きます。

(1)事実婚(内縁)の住民票

同居している事実婚の場合では、住民票がポイントです。
例えばパートナーが事故にあって救急で入院、
親族や配偶者であれば面会することができ、
治療方針について病院に本人に代わり希望する方針を伝えることもできます。
しかし内縁関係は戸籍にあらわれません。
病院や医師の考え方にもよりますが、事実婚(内縁)の関係が真実であることを公的証明書で見せることが役立ちます。
この証明は病院だけではなく、相続や遺族年金給付の場面でも一定の効果を期待できます。

[同居の続柄]
1. 同じ住所で二人が別々に世帯主 世帯主
   つまり、世帯が2つ別になっている
2. 同一世帯で、世帯主同居人
3. 同一世帯で、世帯主夫(未届)または妻(未届)

上記のように3つのパターンがありますが、3.であれば市区町村が発行する住民票によって事実婚ん(内縁)の関係だと証明できます。
むろんお互いに法定婚をしている相手が居ない状態でなければこの登録はできません。
いったん1.や2.の続柄で住民登録をしている場合も、転居なしでも変更ができるはずですから、変更を希望するのであればまずはお住まいの自治体役所へ相談なさって下さい。

(2)事実婚(内縁)の証明 その他

実例はまだ経験していませんが、民生委員が証明を作成してくれることもあるそうです。
他には、勤務先での社会保険でパートナーを被扶養者としている、等も証明の一つの手段です。

(3)法定相続人にはなれない

1.配偶者短期居住権
 パートナーの死後、パートナー名義になっている、これまで同居していた建物に一定の要件を満たせば配偶者は最短でも6か月は無償で居住できます。
登記も不要です。
根拠条文 民法第1037条
しかし、対象となるのは法定婚の配偶者に限定されています。
つまり内縁では配偶者居住権はあたえられないということです。

2. 相続人ではない
法定婚でない配偶者は、法定相続人になれません。
法定婚であれば相続税の優遇措置がありますし、贈与税の配偶者控除も受けられます。

(4)事実婚 内縁では何ができるか

1. 子供がいれば認知しておく

2.遺言を作成しておく
お互いに元気なうちに遺言を作成しておきましょう。
特に公正証書遺言であれば、実際に内縁関係が存在していることの本人意思の証明にもなります。

3.住民票の続柄、社会保険制度での被扶養者
上記で述べたとおりです。
また、亡くなったパートナーにより生計を維持していたならば遺族年金の受給ができます。
その場合も(1)及び(2)に書いた、内縁関係を証明するものが役立ちます。

(参考)
国民年金法第5条7項・厚生年金保険法第3条2項
この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。

4. 特別縁故者として財産分与を請求

実際にパートナーが亡くなったときに法定相続人がいなければ、一定の要件を満たしたうえで「特別縁故者」として遺産から財産分与を請求することが可能です。

◇ミニ知識 特別縁故者とは◇
民法第958条の2 (特別縁故者に対する相続財産の分与)
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
2 前項の請求は、第九百五十二条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

その場合も内縁関係などを証明できるものが役立ちます。
金銭的な財産が必要でない場合も、パートナーの遺産を受け取りたいという心情的なものも生じるのではないでしょうか。


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