延命措置・延命治療を“受けたい”人の準備
話し合いと「事前指示書」「アドバンス・ケア・プランニング」

これまで延命治療を希望しない場合に向けて、尊厳死宣言書の作成などを御紹介してまいりました。
今回は反対に、延命治療を「受けたい」と希望するときの準備についてです。

◇ミニ知識  延命治療・延命措置とは◇
病気の回復を目的とするのではなく、
その時点で回復の見込みが無く、最期が迫った状態の人に対して行う措置です。
その措置により心臓や呼吸の動きを維持させます。
<主な延命治療>
・人工呼吸
・人工栄養
・人工透析
深く考えていくと議論が多くあり、医療、法律、倫理、各人の考え方に及びます。
当コラムでは深く踏み込まずに、できる準備を御紹介いたします。

 

■延命治療を受けることの利点

御本人に意識や判断力がある場合には、しておきたかった事をする時間ができます。
┗ 遺言作成などの終活
┗ 会いたかった親族や友人などに会っておく

■延命治療 本人の意思を示す方法

仮に、近い将来に許可される新薬や治療法の計画を耳にしたら、その治療を受けたいと考えるのも当然です。
最期がせまった体の状態で「本人が元気なときに正常な判断力で延命治療を希望した」ということを証明できるものを準備することになります。
事前指示書
事前指示書とは自分の意思が伝えられない状態になったときにどうしてほしいか、を記載し、家族などに渡しておくものです。
医療機関や自治体によっては様式を準備しているところもありますので、お住まいの自治体のHPや、入院中の病院に確認なさるとよいでしょう。

法定の書式ではないため書式は原則として自由ですが、できるだけ次の項目は記載しておくようにしましょう。
(1)次の点を知らせてほしいかどうか
1.病気やけがのときに、病名やその状態
2.治療にかかる費用
3.余命
4.その他
(2)最期をどこで迎えたいか
自宅、病院、施設などの希望する場所
(3)延命治療について
1.受けたい延命治療
 例: 人工呼吸器、心肺蘇生術、点滴、胃瘻、経管栄養 ほか
2.希望しない治療があれば、どの治療か
3.〇〇ならば延命治療を受けたい(〇〇でなければ受けたくない)
4.できるだけ延命してほしいかどうか
(4)代理人を決めておく
自分が意思を伝えられないときに誰が自分の意思を医療機関に伝えてくれるか。
※予めその人とよく話し合い、意思を理解してもらうことが必要です。
代理人の氏名、住所、電話番号など。
(5)作成日と自分の署名
必ず自分で署名しておきます。

重要なのは本人の意思です。
事前指示書の作成についてお問い合わせはフォームからどうぞ。